「他者を理解する」とは,どのようなことなのか。社会調査がますます重要視されるなか,第一線で活躍する研究者が手の内をすべて明かし,質的調査の醍醐味を伝える。初学者から一般読者まで,読みながら熱気とおもしろさを体感できる,新しい教科書。
序 章 質的調査とはなにか(岸政彦)
1 社会学と社会調査
2 社会学における「データ」とは何か
3 量的調査と質的調査
4 質的調査とは
5 「質的」とはどういうことか
6 「他者の合理性」の理解社会学
第1章 フィールドワーク(丸山里美)
1 フィールドワークとは
2 テーマ設定
3 フィールドワークをする
4 データ分析と論文の執筆
5 フィールドワーク──まだ見ぬ他者と自分と出会う
第2章 参与観察(石岡丈昇)
1 「気分」からの立論
2 調査の中から問題設定を立てる
3 フィールドへの没入
4 論文執筆
5 参与観察──リアルタイムの社会認識
第3章 生活史(岸政彦)
1 人生の語りを聞く
2 生活史調査の歴史
3 実際にやってみる
4 生活史を「研究」する
5 最後に──生活史は「それ自体で面白い」
ブックガイド(石岡丈昇・丸山里美)
レビュー(12件)
フィールドに出る方が必ず読むべき本
これまでは入門書であっても割とかたくて、どうも教科書的・ガイドブック的な感じのする本が多かったと思うのですが、この本は読み物としても面白く、また自分が質的なアプローチや社会調査について、フィールドで聞き取り調査をしたりしながら思っていた実感のようなものとも合っていて、とても馴染める感じがしました。自分の経験と一つ一つ重ね合わせて、確認しながら読むことができるという意味で、少なくとも私にとっては、言わば待ちかねていた本だったと思います。ただ私は言語能力があまりないこともあり、現場や人の写真を撮ることにもとてもこだわっているので、筆者お三方全員と必ずしも考え方・方針が一致する訳ではないことを付け加えておきます。