『大論理学』の後に書かれたもう一つの主著である『七巻本自由討論集』の全訳註解。1巻ずつ全体を7冊に分冊して刊行する。『大論理学』訳註の達成を踏まえ、論理学から存在論、自然学、認識論、倫理学、神学にわたるオッカム思想の全貌を見通せる本書の註解に挑む。原典はオッカムに対するさまざまな批判に応える形で展開されるが、当の批判者の言説は紹介されておらず、本文を読むかぎりでは正確な理解は困難である。註解者はその議論の相手を特定しその説を詳細に調べ、注のなかでその原文を示すとともに、議論全体の文脈を丁寧に解説することにより、オッカムの真意が理解できるよう工夫した。なお、全巻目次とともに各テーマがどの巻に掲載されているかを一覧できる内容目次を付した。本書の本格的な訳註をとおして、中世から近世への思想的転換の実態が一層明確になるであろう。
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