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永遠にかみ合わない議論、罵(ののし)り合う人と人。 その根底にあるのは「具体=わかりやすさ」の弊害と、「抽象=知性」の危機。 動物にはない人間の知性を支える頭脳的活動を「具体」と「抽象」という視点から読み解きます。 具体的言説と抽象的言説のズレを新進気鋭の漫画家・一秒さんの四コマ漫画で表現しています。 序 章 抽象化なくして生きられない 第1章 数と言葉 人間の頭はどこがすごいのか 第2章 デフォルメ すぐれた物まねや似顔絵とは 第3章 精神世界と物理世界 言葉には二つずつ意味がある 第4章 法則とパターン認識 一を聞いて十を知る 第5章 関係性と構造 図解の目的は何か 第6章 往復運動 たとえ話の成否は何で決まるか 第7章 相対的 「おにぎり」は具体か抽象か 第8章 本質 議論がかみ合わないのはなぜか 第9章 自由度 「原作」を読むか「映画」で見るか 第10章 価値観 「上流」と「下流」は世界が違う 第11章 量と質 「分厚い資料」か「一枚の絵」か 第12章 二者択一と二項対立 そういうことを言ってるんじゃない? 第13章 ベクトル 哲学、理念、コンセプトの役割とは 第14章 アナロジー 「パクリ」と「アイデア」の違い 第15章 階層 かいつまんで話せるのはなぜか 第16章 バイアス 「本末転倒」が起こるメカニズム 第17章 理想と現実 実行に必要なのは何か 第18章 マジックミラー 「下」からは「上」は見えない 第19章 一方通行 一度手にしたら放せない 第20章 共通と相違 抽象化を妨げるものは何か 終 章 抽象化だけでは生きにくい
レビュー(305件)
具体と抽象
息子に頼まれて購入しました。 ありがとうございました。
当たり前のようにコミュニケーションの中で具体性・抽象性のある表現を使っていましたが、その中にある自己心理を客観視できるようになりました。 言語化されることで自分自身を見つめなおす事ができるきっかけになりましたし、他人からの見え方というのもいい意味で考え直すことができるようになりました。(多分) 4コマが挿し込まれているのも読みやすくて◎
細谷さんの別の著書が気に入ったので、著者買いです(笑) ややこしい”イメージ”の名詞は使用されるも、難しい表現・単語を使用することがないので、わかりやすく、飲み込みすい印象です。 トレーニング系の書籍も併せて購入しましたので、隙間時間に読み進めては自分の頭のカタさを思い知る毎日です。
そのとおり!と思う人には★4かもしれない。でも内容は良いことを理解を深める四コマ漫画をおり混ぜているのでタイトルの割に読みやすい本だと思う。 また、具体と抽象の両方を理解できる人が直面する宇宙人扱い。やっぱりそうなんだと確信に変わった。理解してもらうのに対策はあるにはあるがそれでも理解してもらえなさそう。 ただ、この本を読んで抽象思考を理解できる人が増えると嬉しい!
世の中で起こる人間関係のいざこざの中には、具体と抽象で説明できることが多いことに気付きます。そして、そのもめ事の原因を言語化することに役立つので、後輩や部下の育成にも役立つはずです。個人的に好きだったところは「手段は具体、目的は抽象」で、これはデカルトの「困難は分割せよ」とのリンクしてきます。具体であるほど行動しやすい特性は世の中で受け入れられているので、「手段が目的化」することはあながち間違いではありません。目的が達成されたのならば、より抽象度の高い目的を追いかければいいだけなので、間違っているのは話し手と聞き手の具体度と抽象度の違いです。このようなことを本書のおかげで言語化できたことに感謝しています。