古代メキシコに彗星の如く出現し、強烈な輝きを放ちながら、わずか200年ほどで消滅したアステカ王国。そこで壮大に行なわれた“生贄の祭り”の神髄は、「人間の血を神々に捧げ、神々の血を人間が頂く」ことであった。本書は、古代語文献や考古学・人類学の史料、60点を超える図像資料を駆使して、新しい解釈でアステカ人の精神性に肉薄する、本邦では他に例のない大胆な挑戦である!
序 古代メキシコとの出会い
第一章 アステカ人の供儀と宇宙論
第二章 神々に血を捧げる
第三章 神々から血を頂く
第四章 花と笑い
第五章 クエポニ/戦場に咲くアステカ戦士
結び 宗教現象における創造の力
あとがき/注・参考文献・索引
レビュー(5件)
人を選ぶとは思うが、すばらしい研究結果。
中南米の古代文明に興味がありました。中でもアステカは大好きです。 本書は読みやすい文章ですが、中身は本格的な学術研究でした。著者のこれまでの集大成といった印象です。供犠(人間の生贄)に関する内容なので、苦手な人にはきついかも。ですが、現代とは異なる価値観を持っていたように思えるアステカ人が、とても情熱的で誠実な人間だったと、この本は教えてくれます。 「笑い」は創造的な状況への移行と共にある。「笑う」と「花開く」はイコール。アステカでは花は笑いさざめくのです。そして戦士もまた、「咲く」ために崇高に生きる。弱小部族でありながら、中央アメリカの過酷な乱世を勝ち抜いたアステカ人の誇りを見た気がします。