発達心理学や障害児心理学の看板を掲げながら、多数の冤罪事件と出会い、裁判という特殊な語りの世界で「法心理学」の扉を開いた心理学者・浜田寿美男の軌跡。小さな島で生まれ、京都の大学への進学、学生闘争…様々な経験を経て、発達の場・裁判の場に足を踏み入れた先に見えたものとは何だったのか。--著者が生きた時代をひも解きながら、言語の発達、障害児の生活世界、冤罪事件をめぐる語りなどといった旺盛な研究活動の源泉と、「神の心理学」から「私たちの心理学」に向けて大切にしてきた視点を語る。
はじめに
1 いまだ「社会」を知らなかった頃
2 個人の歴史、社会の歴史
第一章 時代の混迷のなかから
1 「大学」のなかで浮遊していた頃ーー波乱の手前で
2 「実験文化」を前に苛立っていた頃ーー波乱の渦中で
3 心理学の周辺にとどまることを決意した頃ーー波乱の後に
第二章 私の修業時代
1 翻訳を通して「発達」を考えはじめた頃
2 「裁判の現場」にかかわりはじめた頃
3 季刊『発達』が創刊された頃
第三章 私が出会った三つの現場
1 「発達」の研究者が刑事裁判の世界から抜け出せなくなったわけ
2 「障害」を通して「発達」と出会う
3 心理学の制度化の話
なかがき いつも現場で考えながら書き、書きながら考えてきた
第四章 発達の現場からーー「私」は形成されてきたという話
1 零にまで立ち戻って見る
2 身体を介して意味世界が敷き写されるということ
3 ことばが成り立ち、そこから「私」が形成されていく
4 ときどき神様になる人間
第五章 裁判の現場からーー泥沼の世界に足を取られながら
1 気がついてみれば泥沼の渦中
2 神様はしばしば人間を見誤ること
3 「私たちの心理学」に向けて
第六章 生活の現場からーー子どもたちの「生きるかたち」、私たちの「生きるかたち」
1 制度化の渦に巻き込まれて
2 子どもたちの生きる世界
3 そして人生はつづく
おわりに
浜田寿美男年譜
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