誠実で効果のあるセラピーを求め続けたセラピストの実践録
オリジナリティあふれる研究・論文を発表し続けた高橋規子。この本は,そんな高橋さんの論文集です。
高橋さんは,私設開業心理臨床と卒後教育の実践を主な仕事としながらも,ブリーフセラピー,ナラティヴ・セラピー,システムズアプローチ,NLPなど,か かわってきたセラピー学派において,先鋭的な論客としても知られていました。が,しかし,惜しくも2011年に早逝されました。
クライエントに寄り添い,彼らの発する声に耳を傾け,新しい物語をつむぎだす臨床現場から,テクニカルな臨床論文だけでなく,クライエントとの共同研究,実践のなかから生まれた哲学的な論考など,他に類を見ない独創的な研究を成し遂げました。
誠実で,効果のある心理療法を追い求めたセラピストの遺した珠玉の論文集です。
序章 ナラティヴ・プラクティスの臨床家「高橋規子」から研究者「高橋規子」まで(吉川 悟)
第1部 研究者・臨床家としての高橋規子
第1章 「私」の臨床にかかわる経歴書
第2章 ナラティヴ,あるいはコラボレイティヴな臨床実践をめざすセラピストのために
第2部 ナラティヴとのつながり
第3章 社会構成主義は「治療者」をどのように構成していくのか
第4章 高橋規子論文へのコメント
第5章 社会構成主義に出会うまで
第3部 ナラティヴとの格闘
第6章 治療者が「『技法』を用いる」ことは可能なのか─社会構成主義に基づく相互作用の検討─
第7章 ナラティヴ・セラピーの立場から─大会シンポジウムの前後を振り返って─
第8章 ナラティヴ・セラピー:セラピーの最前線
第4部 「ナラティヴの高橋」という社会構成
第9章 コラボレイティヴ・アプローチは,いかにして実践しうるのか─筆者の,治療者としての思考のあり方を手がかりとした考察─
第10章 家族面接におけるナラティヴ・アプローチ
第11章 家族面接におけるコラボレイティヴ・アプローチ─親子分離面接からリフレクティング・チームの手法を用いた合同面接へと移行した事例─
第5部 私,高橋規子,です
第12章 コラボレイティブな事例報告の試み─ある母娘と共同記述をおこなった事例─
第13章 共同研究という方法
第6部 高橋規子のシステムからナラティヴへの移行についての研究
第14章 「目覚めよ」と呼ぶ声に導かれて─書評・吉川悟著『家族療法─システムズアプローチのものの見方』(ミネルヴァ書房,1993年)─
第15章 離人症性障害患者に対する非分析的アプローチの試み
第16章 「男性恐怖」は父親の暴力による「トラウマ」なのか─「堅・長・漠」の「三重苦」をたずさえた事例─
第17章 ブリーフセラピスト・成長ロードマップ:高橋の場合
第18章 高橋規子とシステムズアプローチについての考察(吉川 悟)
終章 日本におけるナラティヴ・プラクティスの終焉と可能性(吉川 悟)
レビュー(0件)