文化にとって記憶とは何か?
個々人は常に社会文化的な文脈のもとで想起を行い、文化は、象徴、メディア、相互作用、制度を通じて集合的記憶を確立することで初めて生起するーー
われわれの営為の根底に流れ、同時に文化全体を包み込む現象でもある《記憶と想起》に対して、諸学問はいかにアプローチしてきたのか。
社会科学、歴史学、哲学、心理学、そして文学研究など多様な領域にまたがる《記憶研究》の現状をマッピングし、《記憶と想起》を社会文化的な視点からひもとく、最新にして最良の入門書。
第一章 なぜ「記憶」が問題なのかーー導入
第一節 「記憶」に注目する理由
第二節 なぜ「記憶」がまさに今日取り上げられるのか
第三節 「集合的記憶」とは何を意味するのか
第四節 重要なのは記憶、想起、あるいは忘却か
第五節 本書の課題および構成
第二章 集合的記憶の発明ーー文化科学における記憶研究の概観
第一節 モーリス・アルヴァックスーー集合的記憶
第二節 アビ・ヴァールブルクーームネモシュネ、情念定型とヨーロッパの図像記憶
第三節 ピエール・ノラーー記憶の場
第四節 アライダ・アスマンとヤン・アスマンーー「文化的記憶」
第五節 「想起文化」--ギーセン特別研究センター434の構想
第三章 記憶ーー各学問分野におけるアプローチおよび学際的なネットワークの可能性
第一節 記憶の歴史性と社会性ーー歴史学および社会科学
第二節 記憶の具象性ーー芸術および文学研究
第三節 記憶の精神性ーー心理学の記憶研究
第四章 集合的記憶と想起文化ーー文化記号論的モデル
第一節 メタファーーー集合的次元における記憶、想起、そして忘却
第二節 想起文化の物的、社会的、心的次元
第三節 文化の自伝的、意味的、手続き的な記憶システム
第四節 隣接する概念ーー集合的アイデンティティ、経
第五節 〈想起の様式〉--コミュニケーション的記憶と文化的記
第六節 想起の向こう側ーー忘却と未来
第七節 流動する想起ーー超文化的な視点および超国家的な視点
第五章 メディアと記憶
第一節 メディアによる記憶生成
第二節 メディア史としての記憶の歴史
第三節 集合的記憶のメディアーー想起文化論の圧縮概念
第四節 記憶メディアの機能
第五節 メディア文化科学における記憶研究
第六章 集合的記憶のメディアとしての文学
第一節 想起文化の象徴形式としての文学
第二節 文学テクストと想起文化のコンテクストーーミメーシス
第三節 〈集合的記憶〉と〈集められた記憶〉のメディアとしての文学
第七章 物語論のカテゴリーーー集合的記憶のレトリック
第一節 集合的記憶のレトリックーー五つのモード
第二節 経験型モードとモニュメント型モード
第三節 歴史化モードーー文学における歴史記述
第四節 闘争型モードーー文学的な想起の抗争
第五節 省察型モードーー想起文化についての文学の観察
第六節 想起の歴史に関するナラトロジーの視点
訳注
文献一覧
人名索引
事項索引
訳者あとがき
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