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昭和19年、鈴木大拙は軍部が宣揚する日本精神に対抗して日本的霊性を唱え、本書を著した。大拙は精神の根底には霊性(宗教意識)があると主張。鎌倉時代の浄土系宗教と禅宗を重視した。念仏や禅の本質を生活と結びつけ、わかりやすい言葉で読み解き、日本人が持つべき心の支柱を熱く語る代表作。大拙は戦後、長文の序を付け再刊し、霊性の主張を本格始動した。本書はこの2版を底本とした〔完全版〕。解説・末木文美士 凡例 序 第二刷に序す 緒言 日本的霊性につきて 第一篇 鎌倉時代と日本的霊性 一 情性的生活 二 日本的霊性の自覚 第二篇 日本的霊性の顕現 一 日本的霊性の胎動と仏教 二 霊性 三 日本的霊性の主体性 第三篇 法然上人と念仏称名 一 平家の没落 二 浄土系思想の様相 三 念仏と「文盲」 四 念仏唱名 第四篇 妙好人 一 赤尾の道宗 二 浅原才市 第五篇 金剛経の禅 一 まえがき 二 般若即非の論理 三 「応無所住而生其心」 四 三世心不可得(一) 五 三世心不可得(二) 六 禅概観 付録 新版に序す 注釈 解説 末木文美士
レビュー(9件)
角川ソフィア文庫版が完全版と
日本古来よりあるように感じる独特の神秘やその場にある霊的なもの、祈りなどについて興味が湧き、少し勉強したくてそのようなことに詳しい友人に聞いたところ、本書を勧められた。いくつか出ているがこちらが「完全版」でオススメとのことで購入。なかなか難しいですが、少しずつ読んでいます。
座禅を実践している方、禅を理解したい方へ
座禅を実践している方、禅を理解したい方にお勧めです。 「禅」、並びに西田幾多郎先生の「善の研究」を読まれることをお勧めします。
金沢を旅した際、鈴木大拙館を訪れ、初めてこの方の名前を知りました。 70年代のヒッピームーブメントの最中ラブアンドピースの風に熱狂していたアメリカの大学生たちに「ZEN(禅)」について紹介した人として知られているようです。どこから手を付けてよいのやらわからないままとにかく何か著作を読んでみたくて購入しました。 久しぶりに手ごわい本に出会ってしまったようで、まだ読了していませんがじっくり楽しみたいと思います。
沖縄の「あたたかさ」に触れて…
平成24年2月上旬、2週間の沖縄・緋寒桜見物ひとり旅でした…「あたたかい気候」と「あたたかい心」に、いっぱい触れて…ここ沖縄には、今も「日本的霊性」があると想う毎日でした…「ほとゝぎす、聞くたび毎の初音かな」(柳宗悦 妙好人論集p082)の毎日でした…そこで帰宅後、「第五篇 金剛経の禅」を付した角川「日本的霊性 完全版」を精読することにしました彡