失踪した公安警察官を追って、鑓水、修司、相馬の三人が辿り着いたのは瀬戸内海の離島だった。山頂に高射砲台跡の残る因習の島。そこでは、渋谷で老人が絶命した瞬間から、誰もが思いもよらないかたちで大きな歯車が回り始めていた。誰が敵で誰が味方なのか。あの日、この島で何が起こったのか。穏やかな島の営みの裏に隠された巧妙なトリックを暴いた時、あまりに痛ましい真実の扉が開かれる。--君は君で、僕は僕で、最善を尽くさなければならない。すべての思いを引き受け、鑓水たちは力を尽くして巨大な敵に立ち向かう。『犯罪者』『幻夏』(日本推理作家協会賞候補作)に続く待望の1800枚巨編!
レビュー(171件)
大満足!
個人的には太田さんの大ファンで、太田さんの本は全て買って読みました。こちらの「天上の葦 下」も「天上の葦 上」に引き続き、期待を裏切らず、時間も忘れて読みました。非常に良かったです!!これからも期待しています。
ドキドキ感がベスト!
物語の展開のドキドキ感が非常に良いです。 上下になっており結構長い物語になっていますが、一気に読み抜けます。
これがプロの筆力
ストーリー自体はそれほど複雑でもなく、むしろシンプルだが、よくこれだけ仔細にわたって骨太に書き上げたものだと、筆力に圧倒された。 ところどころの、ご都合主義が気になったが、目をつぶっても良いだろう。 プロの筆力に星5つ。ひさしぶりに骨太な小説を読んだ。
老人が指さしていたもの……
上巻で大きく広げた風呂敷を丁寧に畳んでいったという印象。 上巻に比べると、若干のスピードダウン感はありますが、面白いです。 帯にも書かれている「報道と戦争」がメインテーマになっていて、かなり社会性、メッセージ性の強い内容になっています。 あまり詳細に書くと、ネタバレになってしまうので書きづらいですが、メインの一つになっている、「老人が指さしていたもの」の意味を考えると、胸が詰まる思いでした。 戦争の時代を生き抜いてきた人にとって、その時代の記憶というのは、忘れがたいものなのだと思いました。