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平気でウソをつき、罪悪感ゼロ ……そんな「あの人」の脳には秘密があった! 外見はクールで魅力的。会話やプレゼンテーションも抜群に面白い。しかし、じつはトンでもないウソつきである。不正や捏造が露見しても、まったく恥じることなく平然としている。時にはあたかも自分が被害者であるかのようにふるまう。 残虐な殺人や善良な人を陥れる犯罪を冷静沈着に遂行する。他人を利用することに長け、人の痛みなどこれっぽっちも感じない。 ……昨今、こうした人物が世間を騒がせています。しかも、この種の人々を擁護する人も少なくありません。 もともとサイコパスとは、連続殺人鬼などの反社会的な人格を説明するために開発された診断上の概念です。しかし、精神医学ではいまだ明確なカテゴリーに分類されておらず、誤ったイメージやぼんやりとした印象が流布していました。 ところが近年、脳科学の劇的な進歩により、サイコパスの正体が徐々に明らかになっています。脳内の器質のうち、他者に対する共感性や「痛み」を認識する部分の働きが、一般人とサイコパスとされる人々では大きく違うことがわかってきたのです。 しかも、サイコパスとは必ずしも冷酷で残虐な犯罪者ばかりではないことも明らかになってきました。大企業のCEO、政治家、弁護士、外科医など、大胆な決断をしなければならない職業の人にサイコパシー傾向の高い人が多いという研究結果もあります。 また、国や地域で多少の差はあるものの、およそ100人に1人の割合で存在することもわかってきました。そればかりか、人類の進化と繁栄にサイコパスが重要な役割をはたしてきた可能性すら浮上しているのです。 最新脳科学が、私たちの脳に隠されたミステリーを解き明かします。 はじめに 脳科学が明らかにする「あなたの隣のサイコパス」 第1章 サイコパスの心理的・身体的特徴 1 サイコパス事件簿 2 サイコパスの心理的・身体的特徴とは? 第2章 サイコパスの脳 1 サイコパスの脳の知覚能力、学習能力 2 「勝ち組サイコパス」と「負け組サイコパス」 第3章 サイコパスはいかにして発見されたか 第4章 サイコパスと進化 第5章 現代に生きるサイコパス 第6章 サイコパスかもしれないあなたへ おわりに 主要参考文献
レビュー(218件)
興味がありました。
「どうして平気なのか?」と 私が感じることが多数あります。 サイコパスも不思議に思っていましたが、 恐怖や不安を感じない脳のことだと 理解しました。 ただ、脳科学の知識、用語が 多かったので、そこは理解できなかった。
サイコパスって、痛みを感じにくいんですって! 頭がいいサイコパスも居れば、頭が悪いサイコパスも居て、失敗に際し学習する内容が異なるようです。勿論一般人とも異なります。 共感しにくく恐怖を感じにくいため、合理的な選択ができる特殊な人間です。 迷惑な人間ですが、要は使いようという感じでしょう!
約1カ月前に我が家によく出入りしていた方が、妻子の殺害容疑で逮捕されました。普段はそのような事をするようには目えませんでした。先日、その方の職場の上司が謝罪に訪れました。仕事の上では人の言うことを聞かず、よく嘘をつくようです。謝罪に来た方との話が終わりに近づいた時に中野信子『サイコパス』の本を出し脳科学の話が続きました。妻と将来ある息子をなぜ殺害したのか、私には理解できません。極刑をもって裁かれるべきと思います。本の書き出しにあるように、身近に『サイコパス』危険が迫っているかも知れません。この本を読んで殺人心理学を理解して身を守りたいと思います。
大変参考になります
とても参考になりました。身近で断ってもいつも人を利用しようと、しつこくしてくる人がいて、どういうつもりだろうと思っていましたが、性質がわかりました。平気でうそをつく政治家などの性質もわかりました。かかわってはいけない人とは、かかわらずに生きていきたいと思います。
まあまあ
様々な例を挙げて、サイコパスについて、説明しています。研究途中の症例であるためか、結論的なものは、分かりにくかったです。