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両人はかれこれというゆえに、その時おれが出て、「その書き付けを見せろ。」と取り上げて見て、燭台の火へかざし、見るふりして焼いてしまったら、両人が色をかえてぐずぐずいうから、「おれがしたがかれこれいうはいかがの心得だ。そのほう両人はわけておれにこれまで刃向こうたが、格別の勘弁をしておくに不届きのやつだ。」とおどかしてやったらば大いにこわがったゆえ、「この証文は夢酔がもらっておく。」とて立って座敷へはいったら、両人は「恐れ入りました。」とて早々帰ったゆえ、百五十両は一言にてふんでしまった。なんでも人はいきおいがかんじだとおもった。-『おれほどの馬鹿な者は世の中にあんまり有るまいとおもふ。故に孫やひこのために、はなしてきかせるが、能能不法もの、馬鹿者のいましめにするがいゝぜ』幕末を生きた勝海舟の父・勝小吉が語る破天荒な自伝。大きな文字、やさしい表記、親切な脚注付き。
レビュー(11件)
勝海舟の父親の話です。どんな人か興味があったので。
まさに物語のような、すごい人生です。本人も恥じている旨が書かれていますが。 行動力があり、腕っぷしが強く、負けん気も強い。憎まれそうなことをしつつ、憎めないのは、誰かのせいにしたり、誰かを恨んだりすることのない人柄のせいでしょうか。 一気に読むもよし、気になった所をパラパラ読むもよしです。
いい物を安く買いたい
さすが勝海舟のオヤジです。とにかく面白いので、是非読んで下さい。友人にもそういう気持ちでプレゼントしました。
おもしろそうなので
現代口語で書かれているわけではないので、ちょっと読みにくいが、古典文章や時代劇などの口語に慣れている人なら問題なく読めると思う。時代背景をある程度知っていないと「理解できない。何のことだかわからない。」といった部分があるかも?内容は「これがあの勝海舟の父?」と思えば面白い。
勝海舟が好きなので。
勝海舟が好きなので。お父さんを知りたくてかいました。おもしろい人です。文章も何かを超えているように感じました。