アジア・太平洋戦争期に軍部の関心を集めた戦争神経症。恐怖を言語化することが憚られた社会で患者はどのような処遇を受けたのか。また、この病の問題はなぜ戦後長らく忘却されてきたのか。さまざまな医療アーカイブズや医師への聞き取りから忘却されたトラウマを浮かび上がらせ、自衛隊のメンタルヘルスなど現代的課題の視座も示す注目の一冊。
序章 戦争とトラウマの記憶の忘却/総力戦と精神疾患をめぐる問題系(兵員の組織的管理と軍事心理学〈軍隊と心理学/戦場心理・戦争心理研究/小括〉以下細目略/戦争の拡大と軍事精神医学/戦争の長期化と傷痍軍人援護)/戦争とトラウマを取り巻く文化・社会的構造(戦場から内地へー患者の移動と病の意味/一般陸軍病院における精神疾患の治療ー新発田陸軍病院を事例に)/〔補論〕戦争と男の「ヒステリー」-アジア・太平洋戦争と日本軍兵士の「男らしさ」/誰が補償を受けるべきなのか? -戦争と精神疾患の「公務起因」をめぐる政治/アジア・太平洋戦争と元兵士のトラウマー地域に残された戦争の傷跡/終章 なぜ戦争神経症は戦後長らく忘却されてきたのか?
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