やまと絵は中世の四百年間において、あらゆる絵画の基盤であった。絵巻・肖像画・仏画・障屏画など多ジャンルの作例を分析し、視覚による世界把握のありようを探るとともに、絵師や流派による表現様式の展開を追う。権力者による注文、鑑賞、コレクションの実態にも目を向けることで、社会を映し出す鏡としての役割を鮮やかに解き明かした注目の書。
序章 中世の造形と視覚/中世絵巻論ー制作と享受(中世における絵巻の収集享受と権力/絵巻マニアの絵巻評/「病草紙」の構図/メトロポリタン本「北野天神縁起絵巻」の図像と様式/「後三年合戦絵巻」にみる院政期絵巻の復活/「遊行上人縁起絵巻」諸本の様式と年代)/初期土佐派論ー公武権力と和漢の絵画(やまと絵の再生と革新ー室町時代土佐派の成立と展開/「天稚彦草紙絵巻」と室町土佐派絵巻の展開/足利義教と美術ー北山と東山をつなぐ/『看聞日記』にみる唐絵の鑑定と評価)/土佐光信論ー空間と心理(十五世紀絵画のパースペクティブー土佐光信のリアリズム/「槻峯寺建立修行縁起絵巻」と修験のランドスケープ/ハーバード本「源氏物語画帖」の空間構成/「地蔵堂草紙絵巻」の心理表現/土佐光信のコミュニケーションー絵師と画料をめぐって)以下細目略/戦国時代やまと絵論ー都鄙の風景
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