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双極症は、気分が落ち込み、意欲がなくなり、悲観的な考えになる「抑うつエピソード」と、気分が高揚し、活動的になり、誇大的な考えになる「躁病(軽躁病)エピソード」を繰り返す病気です。 「うつ病」に比べて、まだまだ世間に認知されていない病気ですから、双極症と診断された患者さんやご家族は、戸惑い、どう対処していったらよいのか迷われることでしょう。 私はブログ上で、「主治医には聞きにくいこと」をテーマに双極症患者さんからの質問に答えてきたのですが、その一問一答を今回、一冊の本にまとめることになりました。今までにも双極症の本は多数出版されていますが、患者の困りごとや悩みごとに具体的に助言するものは少なかったように思います。 科学的根拠のある話から、私の治療者として、経験者としての経験からの回答となっている部分もあります。質問への回答に「うんうん」と頷いてもらえることもあれば、「ちょっと違う気がする」と感じられることもあると思いますが、迷いや戸惑いの中にある読者のみなさん病気への理解を深めることや、再発予防のための生活習慣を見直すことに役立てていただけると幸いです。それらに加えて、この本をきっかけに、ご自身の困りごとについて、主治医、家族、支援者などとコミュニケーションしてもらえることも期待しています。 私のクリニックのテーマは、「学ぶ、行動する、つながる」です。双極症について正しい知識を得て、それをもとに行動して症状をコントロールしていきましょう。また、孤立感は双極症と付き合う上でマイナスに響きますから、何らかの形で同じ病に悩む人とつながり、力を得たり、経験知を分かち合ってほしいと願っています。 第1章【基礎知識】 第2章【双極症って何?医学的知識】 第3章【症状について】 第4章【服薬から生活指導までーー治療法】 第5章【医師への要望/医師からの要望】 第6章【人間関係について】 第7章【仕事・社会的活動について】 第8章【恋愛・結婚・妊娠・子育てについて】 第9章【社会的逸脱行為などについて】
レビュー(14件)
ページ数が多かったのですが、1章が3,4ページにまとめてあり、休み休みでしたが読みやすかったです。著者の先生の解説内容が分かりやすく論理的だったので、患者としては非常に参考になり勉強になりました。双極症に特化した内容だったので、読み終わってからも参考書代わりに使えると思います。ただ、他の方のレビューにあるように、本文の文字が小さく読みにくいという点で☆は4つにさせていただきました。
病名の名称が新しく変わったので気になって購入してみました。自分がこの病気だけど意外どわかっているようでわかっていない部分もありとても参考になります。
読みやすく理解しやすい
わかりやすい表現であり、当事者・家族・職場でも参考にしやすい内容でした。
普段使いに
何か普段の生活のヒントなどを求めて購入。読みやすく分かりやすい書き方でした。意外と分厚い本です。
自治体の職員用の研修教材にしてほしい!
さくら先生のクリニックのブログで本書を知りました。これだけ一つの疾患に向き合ったQ&A集も珍しいなと感動して書籍版を欲しく思い購入しました。 他のかたのレビューにもありましたが「本文の書体が細い」「しかも小さい」というのは、本当に残念です。老眼の入った者には眼鏡をかけても苦行。エディトリアルデザイナーさんには「お洒落さ以上に、読みやすさへの配慮」が欲しかったです。ゆえに★一つ減らしました。 私個人も当事者なので普段抱えている、これも症状?どこまで我慢?医師に相談するレベルなのか?常にそれにもがいている中で、指標や指針となってくれる、わかりやすい専門書として、説明が詳しくあってありがたいです。 精神疾患全般を、社会が「患者が怖い・どう接していいかわからない・意思疎通ができない気がする」そんな風潮は今もありますが「ほんの少し、寄り添ってみよう」として頂けるきっかけとなってほしいと願うばかりです。特に自治体(役所関係)などで研修教材にしてほしいくらい。福祉系窓口でも厳しい目を向けてこられる職員さんはとても多いと感じます。。。