大学一年生の佐伯杏は悩んでいた。友達が欲しい、親友が欲しい、あわよくば彼氏も欲しい、と願っているのだが、自分に自信がもてず人と会話すらできずにいた。杏はその原因を自分の顔にあると考えていた。「ブサイクだから、この顔じゃ人にバカにされる」と思いこみ、伏し目がちで暗い学生生活を送る日々だった。それでも自分を変えたい気持ちがあった。そんな杏は美容整形をして前向きな自分に生まれ変わろうと考えた。そのためにアルバイトも始めた。だが、一方で「整形ってリスクあるよね」と覚悟が揺らぐ自分もいた。そんななか佐伯家に橋本という男が訪れた。悩んでも答えが出せないでいる杏は橋本に相談しようと立ち上がるが……。心理カウンセラーの村井香奈は悩んでいた。仕事を辞めたい……でも再就職が不安だ。考えても堂々巡りで仕事を辞めるか否かの決断ができずにいた。そんなとき自宅ポストに一枚のチラシが入っていた。橋本という男が話す『人生の選択肢』という講演の案内だった。地獄で仏にあったような気分になった香奈は橋本の講演に足を運ぶが……。健太郎とネット上で名乗る人物は悩んでいた。友人が悩みを抱えて困っていることを心配していた。そんなとき、橋本という男が運営している相談サイトを見つけた。健太郎は橋本にメール相談をするが……。橋本と関係することで三人の心に変化が生まれる。また意図せず、そして気づくこともなく三人が交差することで状況が変わっていく。三人はそれぞれ自分らしい生き方を見つけ出すことができるのか……。この小説は実話をもとに書き上げました。本を書くにあたり三人の相談者に許可をとって、詳細なインタビューをしました。そのおかげで、心の動き、葛藤を相談者視点で書くことができました。また「悩み」という切実なテーマだからこそ、少しユーモアを取り入れています。お読みいただけましたら幸いです。
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