- 1412
- 4.4
お探し物は、本ですか? 仕事ですか? 人生ですか? 人生に悩む人々が、ふとしたきっかけで訪れた小さな図書室。 彼らの背中を、不愛想だけど聞き上手な司書さんが、思いもよらない本のセレクトと可愛い付録で、後押しします。 仕事や人生に行き詰まりを感じている5人が訪れた、町の小さな図書室。「本を探している」と申し出ると「レファレンスは司書さんにどうぞ」と案内してくれます。 狭いレファレンスカウンターの中に体を埋めこみ、ちまちまと毛糸に針を刺して何かを作っている司書さん。本の相談をすると司書さんはレファレンスを始めます。不愛想なのにどうしてだか聞き上手で、相談者は誰にも言えなかった本音や願望を司書さんに話してしまいます。 話を聞いた司書さんは、一風変わった選書をしてくれます。図鑑、絵本、詩集......。 そして選書が終わると、カウンターの下にたくさんある引き出しの中から、小さな毛糸玉のようなものをひとつだけ取り出します。本のリストを印刷した紙と一緒に渡されたのは、羊毛フェルト。「これはなんですか」と相談者が訊ねると、司書さんはぶっきらぼうに答えます。 「本の付録」とーー。 自分が本当に「探している物」に気がつき、 明日への活力が満ちていくハートウォーミング小説。
レビュー(1412件)
短編で読みやすく、お気に入りの一冊です。
青山作品4冊目の購入。これが一番好みです。今回も、もちろん何度か読み返しました。友人にも貸しましたが、「なんか、グッとくるよね」との感想。私は今まで読んだ4作のどれでも泣けます。
青山美智子さんの本は、いつもあたたかい気持ちにさせてくれます。 それぞれの話が絶妙につながっているのもいい。 私も小町さんに本を選んでほしいです。
悩める主人公が図書室で小町さんという司書さんから 一冊の本と付録をもらえる話。 その司書さんの記述が読めば読むほどマツコデラックスさんです。 気になる方はぜひ。
引き込まれる
第四章まで読み終えました。読み進めると、いつの間にか引き込まれています。 今の自分と重ね合わせると、少しだけ勇気をもらえた気がします。