雨の中には鬼が棲んでいる。古代の賢者が書き遺した言葉は正しかった。
〈区外〉のあちこちで、小学生の子供たちが行方不明になったのは、全て雨降りしきる日であった。
そんな冬の午後、銀座通りを歩いていた通行人の前に、近くのビルから女が落ちて来た。
即死したはずの女は、手をかざした通行人に、上の子供を助けてと言い遺してこと切れる。
怯える少年の前に、雨の中から黒い影が近づき、連れ去ろうとしたとき、通行人が立ち塞がる。
六階分の壁を蛇のように這い登って来たのだ。
「うぬらは“雨鬼”か? ならば忘れはすまい、女王ミスティの名を」
奇怪なる死闘の果てに“雨鬼”たちは逃亡し、ミスティは姿を消した。
敵の正体はわかっていた。彼女の生きていた太古ーー“雨鬼”たちは人間を誘拐し、
気力を失った廃人にして帰還させたのだ。すべての子供たちを。
子供が明日への希望を失った世界は滅びるしかない。それこそが異世界の魔物たちの目的であった。
少年を庇ったミスティも〈区長〉との約束によってトラブルを起こせぬ“安らぎの日々”が続き、苦戦が連続する。
彼女に味方する〈区民〉は老妖術使いと彼が生み出した泥人間(ゴーレム)、そしてドクター・メフィストのみ。
だが、やがて、ミスティがその力を存分にふるえるただ一日ーー“女王の日”がやって来た!
レビュー(3件)
女王ミスティの話ですね 何時以来の登場だったかなぁ
魔界都市に新たな主人公が! ミスティ! 今回も楽しく読ませて貰ってます。
期待通りの大活劇
女王ミスティ様の第2幕ですが、今回も魔界都市を舞台に縦横無尽にご活躍しています。区役所も大物暴力団も普通の少年も下僕かそれ以外かで区別しようとしている点では公平な女王様ですし、面白さのツボが少しずれているのもミスティ様だからです。今回は画期的な表現箇所があり最初に読んだときはぶっ飛びました。それもミスティ様のおかげと感謝します。