まもなく完成というところまできて、国鉄末期に建設が中止された、幻のローカル新線。開通を待ち望んでいた著者が、計画上の沿線をたどり、風景を見、路盤に立ち、関係者へのインタビューを行ったルポタージュに、架空の時刻表を添えた「線路のない時刻表」。取り上げた各線の工事再開は困難に思われたが、その後、第三セクター方式により7線すべてが開業。本書は開業までの経緯と新線の乗車記を加えて刊行された「全線開通版」。
陰陽連絡新線の夢と現実│智頭線
白き湖底の町にて│北越北線
建設と廃線の谷間で│三陸縦貫線
断層のある村で│樽見線
落日と流刑の港町にて│宿毛線
瀬戸大橋に鉄道が走る日
青函トンネル紀行「三陸鉄道」奮闘す
あとがき
全線開通版あとがき
〈付録〉自筆年譜
レビュー(5件)
著者の文庫本を殆ど読んだと思っていたのだが、読メで他ユーザの感想を見て本書の存在を知る。奥付を見ると2014年3月1刷り。そのため三陸鉄道が東日本大震災の被害を被った記述があった。著者が存命ならどう感じたろう。津波により壊滅的な被害を受けた三鉄。そして、国内外の支援を受けて復旧、いや南北リアス線が縦貫する復興を遂げた姿に目を潤ませたのではなかろうか。他の路線も国鉄再建法を乗り越え、路線が開通した鉄道が幸いだったか、この時代に読むと何とも言えない。