漂流の演劇
: 永田靖/市川明/アンドリュー・エグリントン(AndrewEglinton)/エグリントンみか/須川渡/細馬宏通
大阪を拠点に活動してきた劇団「維新派」について、研究者や演劇人、建築家らによって多角的な視点から考察した書。演劇史、美術史(特に関西の前衛芸術)における維新派の立ち位置を分かりやすく概説するばかりではなく、維新派の文学的価値や音楽や言語・身体論、都市論からもその魅力に迫る。維新派の記憶と歴史を様々なかたちで後世に引き継ぐべく、維新派を読み解くひとつの鍵として提示し、理解を深める書を目指す。
序 松本雄吉とその演劇
[1 劇場×芝居]
維新派のアジア -『台湾の、灰色の牛が背のびをしたとき』を中心にー (永田靖)
維新派と一九二〇年代のドイツ・アヴァンギャルドたち (市川明)
方向/演出を模索する -地図化、物質性、演劇生態ー (アンドリュー・エグリントン/エグリントンみか翻訳)
場所との対話 -劇団維新派のサイトスペシフィック・パフォーマンスー (須川渡)
[2 音楽×言語]
『呼吸機械』(二〇〇八) -声とスケールの劇ー (細馬宏通)
すれちがいの意味論 -維新派のことばと相互行為ー (福島祥行)
記録メディアとしてのパフォーマンス台本に関する試論 -維新派『nostalgia』の上演台本の創造性ー (古後奈緒子)
[3 時代×都市]
瞳は精神よりも欺かれることが少ない -大阪と美術家/松本雄吉の周辺をめぐってー (橋爪節也)
立ち続けることの快楽 -芸能史から見た維新派ー (小林昌廣)
No Country for Old Men -海外の視点から見た維新派ー (コディ・ポールトン)
美術と演劇の間 -具体美術協会と維新派との接点をさぐるー (加藤瑞穂)
焼酎の入った透明の瓶 (家成俊勝)
「わたしはこの町を知らない」 -松本雄吉とノスタルジーー (酒井隆史)
[4 旅×松本雄吉]
ストリップ小屋の楽屋で熱中した、松ちゃんの「漢字当てゲーム」 -松本雄吉との出会い、そして『日本維新派』- (若一光司)
踊ろう、朝まで、その地図で。 -演出家・松本雄吉(作品『PORTAL』を通じて)- (林慎一郎)
幻の維新派天草公演 -松本雄吉の帰郷ー (五島朋子)
様々な「所作」に関する断片的な記憶について (塚原悠也)
あとがき
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