ハンセン病を理由に徴兵されなかった病者、徴兵検査で丙種合格になった作家、さまざまな手段で徴兵を拒否した者ーー。総動員体制から排除された戦時下「非国民」の短歌や小説を読み込み疎外感と喪失感を腑分けし、そこから生じる逆説的な国民意識を解明する。
まえがき
第1部 非国民文学論
序 章 いのちの回復
1 「絶望」を超えてーー〈書く〉ことによるいのちの回復
第1章 〈国民〉を照射する生ーーハンセン病療養者
1 療養所内「家族主義」
2 「精神的更生」としての創作
3 兵役と療養者
第2章 〈幻視〉という生ーー明石海人
1 歌集『白描』への注目
2 精神の自由を求めてーー歌誌「日本歌人」
3 天刑と刑死ーー二・二六事件歌をめぐって
第3章 〈漂流〉という生ーー『詩集 三人』と『笹まくら』
1 「個」としての家族ーー金子光晴『詩集 三人』
2 徴兵忌避者の生ーー丸谷才一『笹まくら』
3 家族という課題
4 切断なき「戦中ー戦後」
終 章 パラドクシカルな〈国民〉
第2部 〈歌聖〉と〈女こども〉
第1章 明治天皇御製をめぐる一九四〇年前後(昭和十年代)
1 〈歌聖〉明治天皇の登場ーー日露戦争期
2 『国体の本義』などにみる明治天皇御製
3 御歌所所員らの「謹話」にみる明治天皇御製
第2章 仕遂げて死なむーー金子文子と石川啄木
初出一覧
あとがき
人名索引
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