ドイツ会計論
: ヨルク・ベェトゲ/ハンスーユルゲン・キルシュ/シュテファン・ティーレ/佐藤博明/佐藤誠二/稲見亨
本書は、ドイツ屈指の会計学者であるベェトゲ教授と、二人の門下生・キルシュ教授並びにティーレ教授による共著書 “Bilanzen” (出版社:IDW-Verlag、増補改訂第14版、2017年刊)の翻訳研究である。ミュンスター学派の象徴ともいえる原著は、1991年の初版刊行から最新の第14版まで、25年以上にわたって版を重ね、大学の講義テキスト並びに経済監査士(我が国の公認会計士)試験の参考図書としてドイツで広く浸透している、会計分野のベストセラーである。また、原著第4版は2000年にロシア語に翻訳されるなど、ドイツ語圏にとどまらず国際的な評価も得ている。
原著の特徴は、その構成・内容においてまず、HGB会計に関する当代の先駆的な学説・理論書であるとともに、ドイツ会計の制度とその実践的意味を体系的に解き明かすテキストとして編まれた、会計教育面での、汎用性の高い学術インフラとしての意味を持つ点にある。しかも、EU会計指令・命令の国内法化を通して成し遂げられた、HGB会計の国際的対応としての、IFRS会計への“適度な(緩やかな)接近”の様相とその制度的変容が随所に表れていることである。
当初、第13版で翻訳作業を進め、第14版を入手した後、直ちに改訂部分を重点的に精査・精読したことにより、第14版の刊行から1年あまりの期間で本書の刊行に至った。原著は全体で864ページに及ぶ大著であるため、ベェトゲ教授ら原著者と版元のIDW-Verlag者の同意を得て、完全訳ではなく、原著の構成上の基本点を抑えた上で、本書の要諦と思われる部分を切り出し、忠実に紹介する抄訳の形をとった。
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