1963年6月17日、旧大阪拘置所で孫斗八は死刑を執行された。強盗殺人で死刑判決を受けた彼は、獄中で法律を学び、人権無視の拘置所の現状を告発、本人訴訟で1審勝訴を勝ち取る。また死刑受執行義務不存在確認訴訟では刑場の検証を自ら立ち会って行っている。彼は、死刑囚として日本の監獄行政、死刑制度とまさに命がけで闘ったパイオニアであったのだ。本書は孫と交流のあった故丸山友岐子の優れた歴史的なルポルタージュ作品で、1968年以降、4つの出版社から刊行された。初版刊行から半世紀、監獄行政の本質は変わらず、死刑制度も厳然として生き残っている。いま孫斗八の闘いから学ぶことは少なくない。
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