マエストロに認定されたばかりのレオナルド・ダ・ヴィンチ(23才)のもとに未来から一人の少年(17才)が来訪する。周囲が彼の素性を訝る中、レオナルドだけは、信じた方が万事辻褄が合うと少年を受け入れる。時と所はメディチ家全盛のフィレンツェ。ミラノ行きを巡ってロレンツォ・デ・メディチと対立したレオナルドは銀行家のベンチ家に匿われ、そこで未完成のまま放置していた「受胎告知」の仕上げに取りかかる。描くことで思索を深めるレオナルドの姿を目の当たりにした少年コーと里帰り中のベンチ家の一人娘ジネヴラは、描かれた聖マリアの無表情の意味についてレオナルドの真意を問う。絵画の言語化は彼にとって本末転倒にもかかわらず仲間の議論に耳を澄ます。 一方、フィレンツェ全盛を象徴する馬上槍試合を境にロレンツォ体制に陰りが差し始めた矢先、少年コーがメディチ家とパッツィ家の政争に巻き込まれ重傷を負い、時間の緩衝地帯「時の渚」に逃避。そこから強まらざるを得なくなった未来からの干渉が徐々にレオナルドを取り込んでいく。それは仏国アンボワーズで晩年を過ごしていたレオナルドにも及んだ。レオナルドの最期の反攻が彼にもたらしたものとは?
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