疫病の流行により多くの人命が失われた古代。それは単なる自然災害だったのか。藤原四兄弟が全滅した天平の大流行をはじめ、奈良・平安の都を繰り返し襲った事例を読み解くと、都市環境、食料生産体制、文化や倫理など、当時の社会の構造的問題がみえてくる。疫病対策や死者数の実態に触れつつ、ヒト社会の「隣人」ともいうべき疫病の姿に迫る。
疫病から古代の社会を考えるープロローグ/疫病へのまなざしと二つの大疫病(疫病という概念〈疫病とは何か/疫病の原因いろいろ/疫病の語釈と定義/歴史に残る疫病/疫病報告制度/報告制度の後退/疫病観測手段の変化〉以下細目略/奈良時代の大疫病/平安時代の大疫病/大疫病の共通点)/古代疫病流行の仕組み(都と疫病/疫病と農業/信仰と感染の観念)/疫病の時代相と人々の向き合い方(奈良時代の疫病/桓武朝の転機ー疫癘間発/古代における疫病対策)/人間社会と疫病の姿ーエピローグ
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