【POD】新版フリーアドレスマネジメント〜部下マネジメントとコミュニケーションの実際〜
新しい働き方のスタイルとして急速に普及しているフリーアドレスだが、その起源は幕末の松下村塾にあると、この本は奇想天外なエピソードから興味深い展開が始まる。松下村塾を主宰した吉田松陰は多くの志士を育て、彼らは日本の歴史に貴重な足跡を残すことになるが、松陰の教育方法はきわめてユニークなものだった。その教室は席が決まっておらず、松陰自身も定まった席を持たなかった。授業は自由な議論を特徴とし、議論が沸騰してくると松陰は生徒の中に入って、議論をリードした。今ふうにいえばハーバードの白熱教室を彷彿させる光景だ。
堅いタイトルに反して、1ページ、1ぺージにエピソード満載でついつい一気に読んでしまうだろう。
オフィスとしてのフリーアドレスにはどんな機能、特徴があるのか。そこではどんなマネジメントが求められるのか。新しい環境でマネジャーはどんな動き方をしたらいいのか。部下の統率は?コミュニケーションは?
さらにフリーアドレスを導入した企業の詳細な事例も興味深い。本書ではヤフーと丹青社の事例を写真入りで紹介する。導入の動機やねらいが分かって面白く読めるだろう。
巻末には面積別のレイアウトも掲載され、導入を検討する好資料となるだろう。また30代〜50代のビジネスパーソンを対象にしたアンケート調査では、フリーアドレスのメリット、デメリットのほか、導入後のマネジメント上の課題が浮き彫りにされて大いに参考になるだろう。コンパクトな体裁だが、どっこい中身は相当に濃い。すでにフリーアドレスを導入した企業はもちろん、導入を検討している企業、将来の課題としている企業など、指針となる類書が少ない今日、得難い情報源となるに違いない。現場のマネジャー、とくに営業部門の部課長をはじめ、人事・総務のスタッフ、さらには「働き方改革」をリードする経営層には、間違いなく必読の一冊といえるだろう。
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