感受性とジェンダー 〈共感〉の文化と近現代ヨーロッパ
共生のための想像力
尊厳を踏みにじられた他者をケアして連帯する一方、感情の激発や煽動が危惧されもする昨今、「共感」は時代を理解するキーワードとなった。しかし、この感性は現代に始まったのではなく、18世紀の「感受性」文化にその萌芽を宿していたーーロマン主義文学、道徳哲学、ジェンダーをめぐる言説を通して、「共感」の可能性から、その矛盾と限界までを探る!
序論 21世紀から感受性文化と感情史を辿る 小川公代
第1部 感情史と現代
第1章 他者への共感ーー惑星的見地から感受性文学を考える 小川公代
第2章 怒りは道徳的に正しいか?--ヌスバウムと感情の現代哲学 河野哲也
第3章 歴史学と文学のはざま?--感受性文学を手がかりに感情史を考える 森田直子
第2部 感受性の思想と文化
第4章 市民社会と宗教ーーヒュームの『自然宗教をめぐる対話』 大河内昌
第5章 ヒュームの共感論・再訪ーー共感とは受動的で主観的な感情伝染か 犬塚元
第6章 ポウプ、コラルドー、そしてルソーーー『新エロイーズ』における感受性の諸相 井上櫻子
第7章 愛情の偽装ーー『娘たちへの父親の遺産』とウルストンクラフト 川津雅江
第8章 感受性の居場所ーーオースティンの初期作品から『分別と多感』へ 土井良子
第3部 感受性の誤認と帝国
第9章 恐怖の感染、恐怖の消費ーー超常現象と公共圏形成 原田範行
第10章 感受性の洗練と誤認ーーエッジワースとオースティンの描く「共感」の帝国 吉野由利
第11章 「共感」の矛盾と限界ーー『ジェイン・エア』における感情の問題 大石和欣
あとがき 吉野由利
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