真実とは何だろう。嘘、偽り、虚飾のないことだが、物事の本質は不変であるものの、その解釈は人、時代、法律等によって変わってくるものだ。私の人生を振り返った時、興味はあったものの、曖昧にしてきたことや中身をよく知らなかったことが多く残されており、生きているうちに世の中の真実を見極めておこうという気持ちが日々高まってきた。真実は自分にとって生きていく上での規範になり、それを調べ、考えることは、玉石混交の情報あるいはフェイクニュース、誹謗中傷が溢れている現代において、森の中で自分の進むべき道を見つけていくような「楽しみ」となるものだ。どんな時代、国、地域でも、誰にとっても変わることのない真実というものがあるのか、そのようなものは存在せず、全ての事柄の真実は自分達の置かれた状況や立場が異なれば変わりうるものなのだろうか。
本書では、まず事柄の本質を一から問い直そうとし、それを取り巻く周辺状況や過去の歴史、賢人たちの言葉、具体事例などを踏まえ、私の経験や考えを取り入れて真実へのアプローチを試みることとした。
不易流行とはいつまでも変化しない物事の本質を忘れないものの、新しい変化を取り入れていくことだという。 また、新味を求めて変化を重ねていく流行性こそが不易の本質であり、 蕉風俳諧の理念のひとつだ。この不変と変化についても少し掘り下げてみようと思い立ち、千里の道も一歩からなのでどうなっていくのか、暗い洞窟をライトで照らしながら進み、明るい場所に辿り着こうとするような、少しわくわくした気持ちで取り組むこととした。
絶対的な真実というものはひとつなのだろうが、人生が終わる時の物事に対する捉え方がその人にとっての真実だろう。科学的事実は別にして、他の人が見てそれは違うと思っても、本人がそうだと思えばその人にとって真実であり、真実とはそういう意味では人によって異なるのかもしれない。当然と思われていたような事柄についてその人なりの感性で一から考え直し、論理的にその真実を自分なりに追求していくことは楽しいものであり、また、私達の人生を豊かで味わい深いものにしてくれるはずだ。
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