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1932年、国際連盟がアインシュタインに依頼した。「今の文明においてもっとも大事だと思われる事柄を、いちばん意見を交換したい相手と書簡を交わしてください。」選んだ相手はフロイト、テーマは「戦争」だったーー。宇宙と心、二つの闇に理を見出した二人が、戦争と平和、そして人間の本性について真摯に語り合う。 養老孟司氏・斎藤環氏による書きおろし解説も収録。 【原本: 『ヒトはなぜ戦争をするのか』(花風社、2000年)】 目次 フロイトへの手紙ーーA・アインシュタイン アインシュタインへの手紙ーーS・フロイト 解説1 ヒトと戦争ーー養老孟司 解説2 私たちの「文化」が戦争を抑止するーー斎藤環 目次 フロイトへの手紙ーーA・アインシュタイン アインシュタインへの手紙ーーS・フロイト 解説1 ヒトと戦争ーー養老孟司 解説2 私たちの「文化」が戦争を抑止するーー斎藤環
レビュー(58件)
今回ロシアとウクライナの戦争で、偉大な2人が戦争について手紙のやりとりをしたと知り、内容が知りたく購入しました。 見た目はとても薄い本です。 しかも、解釈を書いてる内容もあるので アインシュタインとフロイトの内容はとても少しです。 しかし、その一文一文がとても深い。 アインシュタインは、物理学者なのにここまで心理について考えることのできる人だったのか。人柄も感じる。 フロイトは、人について分かりやすく書いており、読み進めるほど納得した。人の欲動を理解しなければ、人はそれほど立派なものではないと知らなければ、だからこその考えと行動に移れない。それを知ることの大切さも感じました。 しかし、この短さでは深さを探れない部分があるので別のフロイトの本も読もうと思った。 一番驚いたのは、少子化について書かれていること。少子化に移り変わる心理について気になっていたので、まさかここでフロイトが提言してるとは思わなかった。なるほど、ここも納得しました。 ずっと持っていたい本だと思いました。
ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに、戦争と平和について考えることが増えた。そんなときこの本を知り、前世紀の偉大な頭脳がどう考えたかを知りたくて買ったが、考えてみればアインシュタインの理論が元になった原爆が第二次世界大戦で使われたわけだし、百年近く経っても人間は賢くなっていないのだと感じた。文化がどれほど豊かになっても、国家が存在し、人間に欲がある限り、戦争はなくならないのかもしれない。
お二人の手紙は共感、感嘆、賞賛に値する
この手紙のやりとりが続いていれば、世界から人権侵害やハラスメントは今よりも少なくなっていたかもと残念です。
とても大切な内容のいい本ですが,こんなページが少なく薄い本に平気で660円を払えるというのは経済的にかなり恵まれた人々でしょう。それだけの価値はあったと自分は思いますが,その点がちょっと残念です。
頭のいい同士の会話、手紙のやり取りというのがいいし、本当にやり取りしてんだな、というのが伝わる。 1日で読めるし、ふとした時にもう一度考えてみようかな、と読み返したくなる。