木地制作から加飾まで一貫した制作を続ける漆芸家・十時啓悦。その作品は独自の造形美を見せ、漆ならではの魅力に溢れる。漆黒とも喩えられる魅力的な黒、鮮やかな洗朱、金銀の箔、不定形の造形美を見せる乾漆技法、また茶の湯の美意識にも通ずる錆漆など、さまざまな作品を通して日々の器である漆の魅力と可能性を語り、木の道具が見せる「生活のなかの美」について語る。
はじめに
一章 創作と実践
鮮烈な朱色
黒のフォルム
根来の作品
手ずれの箔模様
錆漆の質感
木肌の質感
布肌
陶器の質感
段積み法
乾漆技法
二章 木と漆
1─ウルシ
日本産漆の産地
漆液の採取「漆掻き」
日本産漆と中国産漆との違い
天然樹脂
2─漆の特質
籃胎=竹+漆
乾漆=布+漆
紙胎=紙+漆
3─木を知る
流通と価格
強度と加工性
保温性と保湿
色と香り
木の質
4─木と社会
三章 暮らしのなかの漆
1─ものを作る楽しさ
2─漆の魅力・食の器
3─生活と芸術の距離
技術と感性
バリエーションと実験的加飾
仕上げの工夫
4─生活の道具としての工芸品
白洲正子の武相荘
四章 悠久の漆
1─伝統的技術とクラフト
2─地場産業のブランド化
3─悠久の未来に向けて
おわりに
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