江戸時代、淀川・大和川水系は河川災害の多発地域だった。もろい地質に加え、新田畑の開発や肥料用の草柴採取が土砂流出に輪をかけていたため、春と秋に奉行衆が巡回し、地元の村々に土砂留め工事を厳しく命じた。日誌や御触書、絵図資料から、山地荒廃の実態や土木工事の内容、奉行の権限を解明し、自然災害と人間社会の関係を、歴史のなかで考える。
土砂留め奉行と出会うープロローグ/奉行の日記・庄屋の日記(土砂留め奉行の廻村日記/庄屋の日記/高槻藩の土砂留め奉行)/土砂留め制度(制度の始まり/前史と制度の特色/土砂留めと領主権)/はげ山・土砂留めの景観(はげ山と草山/近江国栗太郡の土砂留め/土砂留め場絵図)/課題と献言(郡山藩の下役文書から/土砂留めと村・百姓/効果と献言)/改革の諸相(下付金・入札・国役/幕府役人の巡見と改革/町奉行所の土砂留め)/「土砂留め」から「砂防」へーエピローグ
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