中国思想史上に改めて疑経を問い直すーーインド成立の体裁を取りながらも実際には中国で偽作された仏教経典=中国撰述仏典。南北朝〜隋唐における在家信者の日常規範「戒」「応報」に関わる中国撰述仏典を取り上げ、儒教や道教、更には民間信仰との接点を探り、広く中国の民衆に受容・信仰された儒仏道三教の交渉の歴史を描き出す。
序 文
一、中国撰述仏典 二、先行研究 三、本書の特徴 四、本書の構成
第一章 中国撰述仏典について
第一節 形神論の中国仏教的展開
第二節 『占察善悪業報経』の成立と伝播
第三節 懺悔の行法における業報と徴
第二章 仏教と道教の交渉(その一、経典研究)
第一節 『仏説三厨経』と『老子説五厨経注』--長生法と悟りーー
第二節 『太上洞真智慧上品大戒』の「六通智慧」について
第三節 『仏説罪福報応経』と『太上説転輪五道宿命因縁経』--鏡像関係の経典ーー
第三章 仏教と道教の交渉(その二、テーマ研究)
第一節 『仏説提謂経』と『太上老君戒経』
第二節 戒神説に見られる人と神々との共生
第三節 五戒の受持と二十五神の守護
第四節 仏教の服餌辟穀法受容ーースタイン二四三八と『太上霊宝五符序』--
第五節 道教と仏教の法印ーー龍王の印もて万鬼を降伏すーー
第四章 中国撰述仏典と伝統思想
第一節 『究竟大悲経』における衆生観と太極
第二節 儒教と妥協した仏教ーー『仏説父母恩重経』と『仏説提謂経』--
あとがき
初出一覧
索引(人名・神名/書名/事項)
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