真正完全版では削除された逸話も多く、
物語の配列も大きく異なる真贋入り交じった妖しい世界
多くの異本や剽窃本が存在する
『サラゴサ手稿』だが、21世紀に入り、
真正版が特定されるに至った。
本書は、それまで最も信頼されていた版の
工藤幸雄による全訳である。
ポーランド貴族ポトツキが病床の妻のために読み切ってしまった『千一夜物語』の代わりに、毎日一話ずつ書きつづったのが本作ともいわれるが、いくつもの異本が存在し、謎に満ちた存在でもあった。近年その完全版がフランスで刊行され、岩波文庫に収録されたが、本書はその完全版刊行以前の、完全版とも異なる逸話も多く含む版の工藤幸雄全訳。
レビュー(2件)
岩波文庫に続いて創元社で発刊。岩波は、訳が1804年判でなく、1810年判で官能シーンが省略されていたが、どうだろう。工藤訳もあまり変わらない。アルフォンスと魔女エミナとジベテの絡みはどうなる?ゾト、パチェコの話し。からくり人形の話しがいりくんでいく。アルフォンスは、見えない鎖の一部であるらしい、と気づいている。話はどうなるのか二巻目が楽しみです。