日本の国土の13倍以上の面積を持つブラジル・アマゾンは、この半世紀の間、世界の一次産品の供給基地と化したことで、熱帯林の20%を失ってしまった。今世紀中ごろには、40%を超えるという試算もある。1980年代後半以後、諸外国の熱帯林消失に対する批判で保全に舵を切るが、インフレの鎮静化と経済成長で、開発に回帰してしまった。連邦政府の中の開発派と保全派のせめぎあいに、国際機関や環境NGOが絡み合い、国内経済の斜陽化とともに、この10年間、アマゾン政策は宙に浮いてしまっている感がある。一方で、実際に入植している人々は、試行錯誤しながら、アグロフォレストリーや有用樹植林で自活の道を歩み始めている。日ごろ、縁することのないアマゾンであるが、われわれ日本人も彼ら生活者の現状と復活劇に学ぶところがある。その材料を提供する。
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