映画「不思議の国でアリスと Dive in Wonderland」原作
【アリスは“不思議の国”だけじゃない! “鏡の国”で立派な女王になるアリスを見届けよう! 原文の言葉あそびの楽しさそのままを「新訳」で!!】
●ここがポイント
(1)さすが新訳!!
前作に引きつづき、今に息づく、美しい日本語でアリスが読めます。
難解で読みづらいなんてこと一切なし! そしてくずれた日本語でもありません。
アリスの上品かつかわいらしい台詞を楽しめます。
(2)アリスが女王になる!? チェスについての詳細な解説
物語の肝(きも)はなんといっても「アリスが女王になる」こと。
“不思議の国”はトランプの国でしたが、“鏡の国”はチェスの国。(将棋とちがってチェスはコマが鏡合わせに置かれます)
つまりこの物語ではアリスはチェスの女王(クイーン)に「成る」のです。
物語はチェスの棋譜にそって展開しており、訳者あとがきでそれが詳細に解説されていて、それがめちゃくちゃ面白いです!
(3)アリスの面白さはライム(韻)
本作は、とくに詩の韻を重視して訳出されています。ラストに掲載される美しい詩をもとにご説明しましょう。
[な]つ 七月の 空【青く】、
[つ]れだって船で遊べば、夢【多く】。
[の]んびり川に流れる追【憶】--
[ひ]っそりと身をよせあ《いて》、
[ノ]ンセンスのお話、夢中で聴《いて》。
[あ]きもせぬ三人の子が《相手》--
※【 】《 》で韻がふまれています。[ ]はつなげて読むことができます。
ちなみにこの詩の訳文がすごいのは、脚韻がふまれているだけでなく、行頭の文字をつなげるとある一文がみえてきます。
近年ネットではやっている“タテ読み”を、百年以上も前のルイス・キャロルはすでにやっていたんですね。
「なつのひノあ」……。このあとどんな言葉が続くでしょう。本文でぜひお読み下さい。
(4)詳細な解説付き&詩の楽譜も!
訳者あとがきでは、ほかにも物語が生まれたいきさつや、作品に関する詳しい解説・裏話が読めます。
・この本が出版されたころ、アリスのモデルである、実在のアリス・リドルが大恋愛していた相手とは?
・アリスが大人になるのを見まもる白の老騎士は、だれのカリカチュア?
・意味不明すぎるジャバーウォッキーの詩の「ぬなやか」は何と何の合成語?(ほかにもこの詩の用語に関する詳細な説明も掲載)
アリスファンならニヤリとしてしまうこと、まちがいなし!
おまけに、それぞれの詩の楽譜もついています。
「鏡の国のアリスです♪」を楽譜にあわせて歌いましょう!
1 鏡の家
2 しゃべる花々のお庭
3 鏡の国の虫
4 トゥィードルダムとトゥィードルディー
5 ウールと水
6 ハンプティ・ダンプティ
7 ライオンとユニコーン
8 「これはせっしゃの発明でござる」
9 女王アリス
10 ゆさぶって
11 目が覚めて
12 夢を見たのはどっち?
訳者あとがき
レビュー(55件)
挿し絵が多くて良かった
表紙も可愛くて挿し絵も多くて素敵でした はじめて読みました 内容も良かった
持ってるのに…
持ってるのに、 完全にパケ買いです!!笑笑 可愛い表紙に惹かれました。
ジョン・テニエル挿絵がなるべく多く収録されている文庫本を探していました。 ハードカバーと違い挿絵の縮小があるのは惜しいですが、かなり多めに収録されていると思います。 他の方の訳文で読んだこともありますが、こちらは韻を踏むことをかなり意識されたもので興味深く楽しめました。 「誰の夢か」についてなど、「不思議の国」との比較解説がもう少しあると嬉しかったですね。
日本語訳
原書を読むために参考に購入した。超訳ではなく原書に忠実に訳している。
英詩を日本語で韻をふんで訳したというのが謳い文句だったので購入。やはりちょっと苦しい感じのところもありますが、今まで他の人が諦めてたと考えると、すごいです。