西田幾多郎とハイデッガーは、激動の20世紀を代表する世界的哲学者である。彼らはそれぞれ、東洋と西洋の精神的伝統に深く根差す一方、現実世界の動きを受け止めて独自な思索を展開した。両者が生前直接に交わることはなかったが、それぞれが独立に、かつ同時代的に展開した思索には、様々な興味深い重なりが認められる。本書では、双方の哲学を突き合わせ、各思想の独自な内実とその継承的発展の立場を考察し、全体の現代的意義と可能性を検討したい。
1.導入 -西田とハイデッガーの同時代性 2.思索の原初 -「事実そのままに知る」と「事象そのものへ」 3.自己への問いと意志的自覚 4.場所と世界 5.論理と真理 6.哲学的転回 -超越論的立場から歴史的世界的立場へ 7.西田による批判とハイデッガーからの可能的応答 8.芸術と詩作 -共通主題からの照射(1) 9.科学と技術(科学技術) -共通主題からの照射(2) 10.物 -共通主題からの照射(3) 11.神 -共通主題からの照射(4) 12.西谷啓治の立場 -ニヒリズムと「空」 13.辻村公一の立場 -「絶対無」 14.上田閑照の立場 -「二重世界内存在」 15.総括 -現代世界のただ中から
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