第12回河合隼雄学芸賞受賞!
壮大な連鎖が浮かびあがる。
津田梅子が二度目の留学で学んだウッズホール海洋生物学研究所。その前身施設を設立したエレン・リチャーズは女性で初めてMITに入り、家政学を確立した人物で、彼女が大学を志すきっかけとなった雑誌の寄稿者の一人が『小公女』らで知られるバーネット。
その雑誌や『若草物語』のオールコットらによる労働文学の読者にマサチューセッツ州のローウェルの女工たちもいた。彼女たちは女性だけの共同組織を作り、雑誌の発行も行っており、それらを含めたアメリカの女性教育を見聞して日本での教育拡充も訴えたのが森有礼だった。
■集会と焼き芋は喜びとささやかな抵抗
■日本でもアメリカの女性運動を同時代的に参照し、実践していた
■ローウェルの工場の窓には新聞の切り抜きが貼られ、それは窓の宝石と呼ばれていた
■ドーナツは主食のように見なされていた
女性労働者は一方的な弱者でなく、実は「わたし」の人生を強かに拡張していた。
ではなぜ、「わたし」という主語で語る術を私たちは失ってきたのだろうか?
【目次】
プロローグーー「わたし」を探す
第一部 日本の女性たち
第一章 糸と饅頭ーーある紡績女工のライフヒストリー
第二章 焼き芋と胃袋ーー女工たちの身体と人格
第三章 米と潮騒ーー100年前の米騒動と女性の自治
第四章 月とクリームパンーー近代の夜明けと新しき女たち
第二部 アメリカの女性たち
第五章 野ぶどうとペンーー女性作家の誕生
第六章 パンと綿布ーーローウェルの女工たち
第七章 キルトと蜂蜜ーー針と糸で発言する女性たち
第八章 ドーナツと胃袋ーー台所と学びとシスターフッド
エピローグーー「わたしたち」を生きる
あとがきーー「わたし」の中に灯る火
主要参考文献
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