ねじまき鳥は最近読みました。20年ほど前の作品なので、まず本の書体が古く感じて少し違和感がありました。それで最初の3分の1くらいは距離がある感じで作品にあまり入っていけませんでしたが、井戸のあたりから面白く感じてきました。 大陸での話はどこまでが本当なのだろうかということが気になりました。これは本当にあったことなのだと思い込まされるほどのノモンハン、動物園、シベリア抑留の場面描写はなかなか見られません。 第3巻では小説の技巧を壊している点が良かったですね。こういうのって読んだことなかったので飽きずに読むことができました。笠原メイの場面は長編小説を読む上で、ちょっと休む事のできる時間でした。 この作品を読んでてやけにジブリ作品を思い浮かべることが多かったです。 ねじまき鳥の顔のあざと言えば、もののけ姫の主人公アシタカです。 顔なしといえば、千と千尋の神隠しの顔なしです。 笠原メイと言えば、トトロのメイです。 ジブリ側も意識していたのでしょうか? この作品はまだミュージシャンのアルバム3~4枚目のような感じです。今の作品とはちょっと違いますね。ミュージシャンと同じで作家も成熟していくのだとわかりました。,15年ぶりの再読。当時はなんとなく面白いという印象しかなかったけれど、改めて読むと、ストーリーだけでなく、日本語の選び方が秀逸。こんな表現を!という天才的な言葉のチョイス。心が震えます。 リアリティもあるけどファンタジー。独特の世界観です。,面白いといっても笑っちゃう面白さではないですが・・・ 家族に頼まれて購入 あとで貸してもらおう!,【文章抜粋】 わたしたち、10分間あれば、わかりあえるわね? と彼女は言った。 僕の家から、まず猫が消えた。そして妻のクミコも姿を消した。一人きりになった僕の家に奇妙な電話がかかるたび、平和な郊外住宅地は、底知れぬ闇の奥へと静かに傾斜をはじめる。最愛の妻を取り戻すため、'84年の世田谷の路地裏から'38年の満州蒙古国境まで、駅前のクリーニング屋から意識の中にある井戸の底まで、暴力とエロスの予感に包まれた、地図のない冒険の旅が始まる。 【お勧め度】★★★★★ 読んでいて、面白いストーリです。,通勤時間に読みたかったので、文庫化待ってました。どんどん物語に引きこまれていきます。
レビュー(662件)
過去と現在が井戸で繋がるへんてこな世界
ねじまき鳥は最近読みました。20年ほど前の作品なので、まず本の書体が古く感じて少し違和感がありました。それで最初の3分の1くらいは距離がある感じで作品にあまり入っていけませんでしたが、井戸のあたりから面白く感じてきました。 大陸での話はどこまでが本当なのだろうかということが気になりました。これは本当にあったことなのだと思い込まされるほどのノモンハン、動物園、シベリア抑留の場面描写はなかなか見られません。 第3巻では小説の技巧を壊している点が良かったですね。こういうのって読んだことなかったので飽きずに読むことができました。笠原メイの場面は長編小説を読む上で、ちょっと休む事のできる時間でした。 この作品を読んでてやけにジブリ作品を思い浮かべることが多かったです。 ねじまき鳥の顔のあざと言えば、もののけ姫の主人公アシタカです。 顔なしといえば、千と千尋の神隠しの顔なしです。 笠原メイと言えば、トトロのメイです。 ジブリ側も意識していたのでしょうか? この作品はまだミュージシャンのアルバム3~4枚目のような感じです。今の作品とはちょっと違いますね。ミュージシャンと同じで作家も成熟していくのだとわかりました。
言葉のチョイスが天才
15年ぶりの再読。当時はなんとなく面白いという印象しかなかったけれど、改めて読むと、ストーリーだけでなく、日本語の選び方が秀逸。こんな表現を!という天才的な言葉のチョイス。心が震えます。 リアリティもあるけどファンタジー。独特の世界観です。
村上本はどれも退屈させない面白さ
面白いといっても笑っちゃう面白さではないですが・・・ 家族に頼まれて購入 あとで貸してもらおう!
ねじまき鳥クロニクル(第1部)村上春樹
【文章抜粋】 わたしたち、10分間あれば、わかりあえるわね? と彼女は言った。 僕の家から、まず猫が消えた。そして妻のクミコも姿を消した。一人きりになった僕の家に奇妙な電話がかかるたび、平和な郊外住宅地は、底知れぬ闇の奥へと静かに傾斜をはじめる。最愛の妻を取り戻すため、'84年の世田谷の路地裏から'38年の満州蒙古国境まで、駅前のクリーニング屋から意識の中にある井戸の底まで、暴力とエロスの予感に包まれた、地図のない冒険の旅が始まる。 【お勧め度】★★★★★ 読んでいて、面白いストーリです。
通勤時間に読みたかったので、文庫化待ってました。どんどん物語に引きこまれていきます。