生きる喜び、人を愛する幸せ、愛するがゆえの苦悩、別れの悲しみ、老いへの恐れ…。『源氏物語』に登場する人物たちは誰もが歌をよみ、その心情を伝える。
また、古歌を踏まえた表現ー「引歌」-により、物語の世界観はより一層豊かなものとなっている。
本書では『源氏物語』のあらすじを、作中人物歌・引歌とともに丁寧に解説。
和歌とともに、作中人物の重要な会話文や心内語(心中思惟)をも丹念に読み解き、臨場感あふれる魅力的な物語世界を感じることができる。
『源氏物語』入門書としても最適な一冊。
はじめに
第一部 栄華への道のり
光源氏誕生ー桐壺(一)
雨夜の品定めー帚木(二)
空蝉との恋ー帚木(二)・空蟬(三)
夕顔との恋ー夕顔(四)
紫のゆかりとの出会いー若紫(五)
末摘花との恋ー末摘花(六)
秘密の皇子誕生ー紅葉賀(七)
朧月夜との恋のはじまりー花宴(八)
若君の誕生と葵の上の死ー葵巻(九)
桐壺院の崩御と藤壺の出家ー賢木(一〇)
花散里での懐旧のひと時ー花散里(一一)
光源氏の須磨退去ー須磨(一二)
明石の君との出会いと別れー明石(一三)
冷泉帝の即位と明石の姫君誕生ー澪標(一四)
末摘花との再会ー蓬生(一五)
空蟬との邂逅ー関屋(一六)
斎宮女御の入内と絵合ー絵合(一七)
明石の御方の上京と再会ー松風(一八)
藤壺崩御と明石の姫君二条院へー薄雲(一九)
朝顔の姫君への恋ー朝顔(二〇)
夕霧の元服と初恋ー少女(二一)
夕顔の遺児・玉鬘との出会いー玉鬘(二二)
新春の六条院ー初音(二三)
玉鬘求婚譚のはじまりー胡蝶(二四)
五月雨の日の物語論ー螢(二五)
内大臣の娘・近江の君登場ー常夏(二六)
下燃えの恋の思いー篝火(二七)
夕霧が垣間見た六条院の女君ー野分(二八)
大原野行幸と玉鬘の裳着ー行幸(二九)
玉鬘の尚侍出仕をめぐってー藤袴(三〇)
玉鬘求婚譚の意外な結末ー真木柱(三一)
明石の姫君の皇太子入内準備ー梅枝(三二)
光源氏の栄華の極まりー藤裏葉(三三)
第二部 欠けてゆく月
女三の宮の六条院降嫁ー若菜上(三四)
女三の宮、柏木の子を宿すー若菜下(三五)
女三の宮の出家と柏木の死ー柏木(三六)
柏木遺愛の笛のゆくえー横笛(三七)
持仏開眼供養と鈴虫の宴ー鈴虫(三八)
夕霧の恋のゆくえー夕霧(三九)
紫の上の法華経千部供養と死ー御法(四〇)
紫の上哀悼の春夏秋冬ー幻(四一)
第三部 光源氏亡き後・宇治十帖
匂ふ兵部卿と薫る中将ー匂兵部卿(四二)
按察大納言一家の物語ー紅梅(四三)
故髭黒太政大臣家のその後ー竹河(四四)
宇治の姫君たちとの出会いー橋姫(四五)
八の宮の死と姫君たちの悲しみー椎本(四六)
中の君の結婚と大君の死ー総角(四七)
中の君の都移りー早蕨(四八)
匂宮の六の君との結婚とその余波ー宿木(四九)
八の宮の末娘・浮舟登場ー東屋(五〇)
浮舟をめぐる薫と匂宮ー浮舟(五一)
浮舟の失踪と人々の嘆きー蜻蛉(五二)
浮舟の蘇生と出家ー手習(五三)
薫の心と浮舟の心ー夢浮橋(五四)
解 説 『源氏物語』五十四帖の構造
和歌索引
あとがき
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