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高知の下町に生れ育った喜和は、十五の歳に渡世人・岩伍に嫁いだ。芸妓紹介業を営み始めた夫は、商売にうちこみ家を顧みない。胸を病む長男と放縦な次男を抱え必死に生きる喜和。やがて岩伍が娘義太夫に生ませた綾子に深い愛をそそぐが…。大正から昭和戦前の高知を舞台に、強さと弱さを併せもつ女の哀切な半生を描き切る。作者自らの生家をモデルに、太宰治賞を受賞した名作。
高知の下町に生れ育った喜和は、十五の歳に渡世人・岩伍に嫁いだ。芸妓紹介業を営み始めた夫は、商売にうちこみ家を顧みない。胸を病む長男と放縦な次男を抱え必死に生きる喜和。やがて岩伍が娘義太夫に生ませた綾子に深い愛をそそぐが…。大正から昭和戦前の高知を舞台に、強さと弱さを併せもつ女の哀切な半生を描き切る。作者自らの生家をモデルに、太宰治賞を受賞した名作。
レビュー(47件)
小説のモデルはどのような方なのでしょうか
時代背景は戦前か戦中戦後あたり…?現代社会から見ると隔世の感があり物語を読み進めるにつれ、しだいに小説の中に引き込まれていきます。それでも基本的には日本社会はさほど変遷していないのか、アブノーマルな話とは思えません。
綾子の視点から書かれた「春燈」を先に読み、この作品を読みたくなりました。「春燈」と重なる部分など相互関係があって面白く読めました。次は「朱夏」を読みます。
すばらしい小説です
宮尾登美子の著書の中で3本指に入る「お気に入り傑作」です。 ご本人の実話で、この本の続編、「春燈」「朱夏」「仁淀川」 もとても読み応えがあります。 あまり本を読まなかった私がここ数ヶ月で宮尾登美子本を ほとんど読みあさってしまいました。 それだけ心ごと引き込まれてしまう宮尾さんの作品はすばらしい!
こないだ読んだ『朱夏』がすごくおもしろかったので、その前の話であるこの本も読みたくなりました。太宰治章受賞作品です。