『古事記』や『日本書紀』が編纂されたのと同じころ、日本全国各地の動植物や土壌、地名の起源や伝承をまとめて報告するよう、官命が下された。この『風土記』を開いてみれば、鹿、白鳥、鮭、鮎、栗、槻、楢、杉などの動植物、川や山、池や湖などの自然に囲まれて生きた古代人の生活が鮮やかに記されている。現存する常陸国、播磨国、出雲国、豊後国、肥前国の五国風土記と「風土記逸文」を、現代語訳・原文・解説でダイジェスト。
第一章 常陸国風土記
第二章 出雲国風土記
第三章 播磨国風土記
第四章 豊後国風土記
第五章 肥前国風土記
第六章 風土記逸文
解説 風土記 古代の里山
レビュー(3件)
古事記に興味があり、関連本を数冊読んできたおかげで、風土記の文体がすんなり入ってくる。加えて『ビギナーズ・クラシックス』の構成の妙に助けられてもいる。原文の漢字にルビをふってあり、文章のリズムを損なうことなく大意が理解できた。大和朝廷が、自分たちの正当性を示す記紀を編纂するのと同時に、中央から派遣された役人の手によってではあるが、支配地である地方の地名・伝承等を採収したことの中でも、特に出雲国風土記が興味深い。各々の解説を読むと、未だ解明されていない古代日本の謎が多いことがわかった。今後の研究に期待大だ。