世阿弥(1363年?から1443年?)能役者、能作者。
観世座の大夫観阿弥を父として生を享け、幼くして将軍・足利義満の寵愛を得る。将軍家による愛護のもと、貴人にも庶民にも愛される詩劇として能を大成、世界の演劇史に燦然と輝く能の作品と芸術論を遺すも、晩年は数々の悲運に見舞われる。本書は権力者や他の芸能者からの影響に目配りしつつ、その劇的な生涯と偉大な芸術的遺産を丁寧に読み解いていく。
はしがき
主要能楽(小段)用語紹介
序 章 一座共感の中世芸能
第一章 父・観阿弥
1 観阿弥の出自
2 観阿弥の活躍
3 観阿弥の芸風
第二章 出生と成長
1 生年をめぐって
2 名童・藤若
3 足利義満の寵愛
第三章 好敵手たちとその影響
1 犬王の時代
2 義持の将軍就任と増阿弥の台頭
第四章 禅との出会いと芸風の深化
1 禅への帰依と出家
2 『申楽談儀』に見る芸風
3 出家後の演能記録
第五章 悲運の訪れ
1 義持歿し、弟の義円が後継者に
2 元能の出家遁世
3 元雅の死と一座の破滅
第六章 佐渡配流
1 世阿弥はなぜ佐渡へ流されたか
2 『金島書』と在島の日々
第七章 芸術論の展開
1 伝書は何のために書かれたか
2 花とは何かーー『風姿花伝』を読む
3 「無」の発見と習道論の展開ーー『花鏡』『至花道』時代
4 却来の思想
第八章 作劇術の建設
1 総合芸術としての能
2 諧調美の世界ーー言葉と音楽
3 夢幻能の完成ーー脚色法
4 世阿弥の能を概観する
第九章 詩劇の達成
1 足利将軍の治世を賛美する
2 風雅な修羅を求めて
3 追慕追懐する女、貴人
4 老いと若さ、遊狂と物狂
5 男女の葛藤を描く
6 人ならざるもの
終 章 明治日本の世阿弥発見
参考文献
あとがき
世阿弥略年譜
人名・事項・曲名索引
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