人間を決めるのは「生まれ」か、それとも「育ち」なのか。いまだに議論の応酬がやまないこの論争に介入し、世界中で大反響を巻き起こした認知心理学者スティーブン・ピンカーの代表作。本書でピンカーは、人間の心は「空白の石版(ブランク・スレート)」であってすべては環境により決定されるという議論に対し、性差など「生まれつき」の要素を無視することはできないとして徹底的な反証を繰り広げる。現代科学の膨大な研究蓄積を武器に、「人間らしさ」の根源を問う、現代の古典というべき一冊。上巻は、人間本性の存在を否定することの危うさを論じた「第III部 四つの恐怖を克服する」まで。
はじめに
I 三つの公式理論ーーブランク・スレート、高貴な野蛮人、機械のなかの幽霊
第1章 心は「空白の石版」か
第2章 ブランク・スレート、アカデミズムを乗っ取る
第3章 ゆらぐ公式理論
第4章 文化と科学を結びつける
第5章 ブランク・スレートの最後の抵抗
II 知の欺瞞ーー科学から顔をそむける知識人たち
第6章 不当な政治的攻撃
第7章 すべては詭弁だったーー「三位一体」信仰を検討する
III 四つの恐怖を克服するーー不平等・不道徳・無責任・ニヒリズム
第8章 もし生まれついての差異があるのならば……
第9章 もし努力しても無駄ならば……
第10章 もしすべてがあらかじめ決定されているのならば……
第11章 もし人生に意味がないのならば……
付録/原注/参考文献/人名索引
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