古今東西の言語・造形藝術・音楽に表現された人間の窮極の姿
『イソポ物語』『今昔物語』からデューラー『メランコリア』、ホーフマンスタール『イェーダーマン』…。
古今東西の説話・絵画・音楽に造詣のふかい碩学小堀桂一郎、珠玉の随想集。
◎人間の境涯についてー滅びの象限としての時間と空間
序 メディチ家のカペレ・憂鬱(メランコリア)の造形/ミケランジェロの鼠/「二鼠競争」・無常迅速の諦觀/穴の中の男・顚落の空間/結び
◎タナトスの顔ー古代人の想像力が生んだ「死」の姿
序章/第一部 古典のテキストに添つて/第二部 十八世紀の評論家達と造形美術/あとがき
◎「黄金時代」考ー敵か味方か、「傳統」と「前衞」の間
序章ーEt in Arcadia ego/本論ーハリー・ケスラー伯『日記』を視點として
◎「三人の友」の話ー「エヴリマン」説話の流傳の跡
はじめに/一 出發点、假名草子本『伊曾保物語』/二 主題となる寓話の本文/三 寓話の出典について書誌學的に/四 寓意の解釋/五 寓話の流傳の旅/六 原点寓話群の構造/七 傳承の樣相/八 終着點としての『エヴリマン』劇/九 共通材源の類和
◎「三人の友の話」 補説・材源並に類話に就いての追補
一 『雜阿含經』他/二 『ゲスタ・ロマノールム』/三 『エクセンプラ』/四 『ペトルス・アルフオンズス寓話集』/五 アラビア文學中の一例/六 平田篤胤『本教外篇』
◎古代に於ける時間秩序感覺ー『古今集』巻頭の年内立春歌に就いて
『歌よみに與ふる書』の衝擊/「年内立春」といふこと/「年内立春」は異例か/契沖の同情的評價
◎「伯の母」の話ー歴史考察資料としての説話文學
◎夫婦の絆ー『曠野』と『蘆刈』・『今昔物語』巻第三十の第四・第五話から
はじめに/榮達の夫と零落の妻/玉の輿の妻と落魄の夫/「いたはり」と「廉恥」
◎「あとがき」に代へてー「正しさ」の喪失倫理問題としての国語表記問題
中学時代の記憶/被占領下に生じた価値の顚倒/仄見えてゐる再生の曙光
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