近代ヨーロッパの文明思想は結局、国境やおカネといった虚構に支配された今日の世界をつくり出した。実体のある、結び合って暮らす共同体的世界をとりもどすにはどうすればよいのか。その手がかりは、日本の民衆が培ってきた土着・伝統の思想・文化にあった。自然信仰や仏教思想の展開をわかりやすくひもときながら、転換の時代をともに生きるための思想を構想する。自然と人間の関係、労働や共同体をめぐる独自の思想を構築してきた哲学者・内山節が、2019年2月に開催された「東北農家の二月セミナー」にて語った新しい思想論。
序文 思想上の伝統回帰について
第1講 共同体の思想
第2講 関係と実体
第3講 明治以降の日本を問い直す
第4講 変革の思想を再検討する
序文 思想上の伝統回帰について
第1講 共同体の思想
ヨーロッパの文明思想が限界を迎えた
日本の伝統的社会観の特徴
権力と民衆
結び合って暮らす社会へ
第2講 関係と実体
本質は関係にある
関係本質論と仏教
第3講 明治以降の日本を問い直す
明治が潰したもの
国民の形成、国家への集約
転換期のせめぎ合い
近代的世界が行き詰まるなかで
これからの課題ーー「信仰」
第4講 変革の思想を再検討する
しのいでいく柔らかな発想
役割を引き受ける
あとがき
レビュー(0件)