地球上には多くの生物が共存し多様な生活を営んでいます。生物の面白さはその多様性にあると言っても過言ではありません。生物の長い歴史のなかで,生物は同種あるいは他種との相互作用や取り巻く環境の影響により進化してきました。生物の多様性はそれぞれの種が進化してきた歴史に裏付けられています。
例えば,ライオンでは「子殺し」という行動が普遍的に見られます。ライオンの社会構造の研究によって,この一見不利益となる「子殺し」の意味を説明できるようになりました。体の大きなサバンナゾウは捕食者に対しては無敵です。しかし,体重を支えるために脚の骨はかなり無理を強いられています。その証拠に大型の肉食獣がいない小島では子馬ほどの大きさになっていたことが分かっています。皆さんは,「動物の性は性染色体によって決まる」と思っていませんか。ところがウミガメは胚発生時の温度によって雄になるか雌になるかが決まります。このまま地球温暖化が続くとしたら,ウミガメの性は一方に偏ってしまわないのでしょうか。
本書では,このような話題を取り上げ,私自身の撮った写真を使って「生物の多様な生き様」を紹介したいと思います。多くの皆さんが,「こんな変わった生物もいるのか」,「この動物の変な行動にはこんな意味があるのか」と生物に興味をもたれ,「生物はこんなに面白い」と感じていただければ,とてもうれしく思います。(「はじめに」より)
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