2015年に上梓した『傷寒・金匱を学んで』は、三十数年間の私論をまとめたものである。その後も、藤門会の方々と共に教学相学び傷寒・金匱の条文を研究している。そして先達の解説、治験を道しるべとし、『為方規矩』に述べられている“去年ヲ今ニ比スレバ、悔イルコト多ク、昨日ヲ今日ヨリ視レバ違エルコトアリテ、イツヲ事業成就ノ時トセンカ、イマダ知ルベカラズ”との戒めの言葉を心に刻み日々臨床に努めている。この書に納めた論文数は少ないが、先達の詳論も多くはない。列叙した小論は、臨床的に活用すべき条文をとりあげ、さらに筆者の臨床治験を踏まえたものである。殊に陽明篇の大承気湯条・陽明少陽合病、少陰病篇の大承気湯と四逆湯との併病、さらに『金匱要略』血虚虚労篇の桂枝加竜骨牡蛎湯に次いで挙げられるれている天雄散などについては、治験を基にした論文は未見である。小論の論旨に揣摩憶測の誹りを受けるかもしれないが、後学の研究者に、これらの条文について臨床の場で追試をお願いしたい。
序
『傷寒論』『金匱要略』から学ぶ附子・烏頭剤の運用
桂枝加竜骨牡蛎湯証について
天雄散の病態とその運用
大・小承気湯合四逆湯類、白通湯加減の高齢者の便秘、下痢への応用
大承気湯条の「陽明少陽合病、必下利」を考える
当帰生姜羊肉湯の病態考察
白虎湯、白虎加人参湯証における鬱熱の考察 白虎湯合小柴胡湯、白虎加人参湯による三陽合病の治験を礎に
補陰湯の運用について 八味丸との鑑別
真寒假熱について
高齢者、虚弱者の“夏バテ”に有効な生脈散合四逆湯について
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