豊かになった近代都市の市民生活をモティーフとし、幸せの感情に満たされた画風で知られるルノワール。しかし画家自身はその社会に満足していたのだろうか。彼の描いた絵画世界と自らの生きた現実とは同一だったのだろうか。
本書は膨大な作品の中から選んだ代表作と関連資料に基づいて、ルノワールの全貌を浮き彫りにした入門書。磁器絵付け職人から始まり、自らの行くべき道を求めて苦闘した青年期、そして円熟の境地に到達するまでを辿る。画風の展開と同時に画家の生涯の変転にも注目。人柄や人生観、技法、近代日本との深い関わりなども、作品と重ね合わせて読み解く。
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