七五調シリーズも〈5〉になった。試行錯誤の結果、良くなってきている。散文形式の筋をただ追うだけの訳ではないので、最初は抵抗感があるかしれない。シェイクスピアの作品自体、英文の「劇的詩」である。訳は近松門左衛門的な「日本の劇的詩」なのである。シェイクスピアの全作品の中で傑出しているのは『ハムレット』である。その理由は作品の中にある作者の「人生論」だ。そこに我々は共感し、感動し、学び、生きる指針を見出せるからだ。文学や演劇には大切な役目がある。それは「鏡」の役目だ。時代を映し、読者や観客の内面を映し出すもの。『ハムレット』の中には高品質の「(受け手の内面を映す)鏡」がある。ハムレットの「狂気」という屈折する鏡まである。受け手はそれに自分を映し出してみて、自分の知らなかった自分を発見できるのかもしれない。シェイクスピアの登場人物の提示する「宝」を発見できれば、人生が有意義なものになるに違いない。
登場人物、第1幕(第1場 エルシノア城の前の高台/第2場 城内のホール/第3場 ポローニアス家の一室/第4場 城壁の上/第5場 城壁の別の場所)、第2幕(第1場 ポローニアス家の一室/第2場 城内の一室)、第3幕(第1場 城内の一室/第2場 城内の廊下/第3場 城内の一室/第4場 王妃の居間)、第4幕(第1場 城内の一室/第2場 城内の別の一室/第3場 城内の別の一室/第4場 デンマークの平野/第5場 城内の一室/第6場 城内の別の部屋/第7場 城内の別の部屋)、第5幕(第1場 墓地/第2場 城内のホール)、あとがき
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