焚かれた詩人たち
: ゼルケ,J.(ユルゲン)/浅野 洋/Serke J¨urgen
1933年5月、アドルフ・ヒトラーは、一世代のすべての文学者をドイツ国民の記憶から抹殺した。地位と名声のあるほとんどすべてのドイツ語圏の作家の本が、「退廃芸術」であるとして火葬されたのだ。この文学者たちへの弾圧は、単にその著書を火の中に投げ入れただけでなく、文学者自身をも逮捕・拘禁し収容所へ送るという過酷なものだった。ある者は獄中死し、ある者は亡命し、またある者は自殺した。この焚書の結果、今日にいたるまで1920年代の表現主義の作品は、ドイツでもかなり忘れ去られたままとなった。そして、戦後ドイツが東西に分裂したことが、文学者たちの運命をさらに複雑なものにした。なかには社会主義者として東側で生き延びた者もいた。その一方で、亡命したソ連でまたも粛清された者もいた。その作品の発表の機会が失なわれたまま、貧困のうちに西側で亡くなった者もいた。このナチスのもとで粛清された文学者たちのリストは数百人にのぼるが、本書は、戦後のドイツでも忘れられた存在だった「焚かれた詩人たち」三十数名の人生と作品を紹介する。
エルンスト・トラーー幻想としての心やさしい人間のための犠牲的歩み
エルゼ・ラスカーーシューラーーイスラエルへの夢をいざなった女性
アルミン・T.ヴェーグナーードイツにとどまりヒトラーに抵抗した詩人
フランツ・ユングーひとりの詩人がレーニンを叱責する
クレール・ゴルー「わたしはたっぷり生きたと思うわ」
アルベルト・エーレンシュタインー成就しなかった恋
ヴァルター・メーリングードイツ的心情の真髄を射る
クラブントークロッセン出身の女漁り
エーリヒ・ミューザームー暴力を憎んだアナーキスト
ヤーコプ・ハーリンガーー神に祈る中傷家
イルムガルト・コインー「ハイル・ヒトラー わたしはしません」
アルフレート・デーブリーンー異端者がカトリックになる
ハンス・ヘニー・ヤンー死と死滅の幻影〔ほか〕
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