現代のさまざまな分野に、実践・理論の両面で大きな影響を及ぼしているジェレミー・ベンサム(1748-1832)。本書は、彼の厖大な草稿類を整理・校訂するベンサム・プロジェクトを牽引し、新著作集の編集主幹をつとめる、「世界一ベンサムを知る」著者による本格的な入門書である。苦痛と快楽が基礎づける原理(功利性の原理)による立法の科学を構想し、共同体の幸福=「最大多数の最大幸福」を目指したこの思想家の全貌を平易に解説し、従来触れられてこなかった宗教と性、拷問に関する理論に言及するなど、最新の研究成果をもとに彼の功利主義思想を体系的に論じる。詳細な読書案内とともに、ジョン・ロールズ『正義論』(1971)における功利主義批判以降のベンサム研究の動向を論じる訳者解説(小畑俊太郎執筆)を付した、新しい功利主義入門。
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